僕について：TOEIC990点(満点)の現役TOEICコーチ。元大手塾講師。早稲田大学OB。対人恐怖症。会社になじめず20代で2度転職。妻は台湾人で日常生活は中国語です。僕の詳細はプロフィールより。
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「就活でTOEICスコアを見て足切りする企業があるって聞いたけど本当?」
「就活でTOEICの点数が重要だと聞いたけど、実際どのくらい重要なの？」
TOEICに関して漠然とした疑問をもっている人は多いと思いますが、そのまま就活に突入して果たして大丈夫でしょうか。
そこで、今回は就活におけるTOEICの点数と足切りのリアルな現状についてお話します。
Contents
就活でTOEICは受けておいた方がいい？
「就活をするにあたって、TOEICは受験しておいた方がいい。」とアドバイスされた事があるかもしれません。
しかし、実際のところ、TOEICの点数はどのくらい重要になってくるのでしょうか。
就活生のTOEIC平均点とは
TOEICの平均点はTOEICの運営を行っているIIBCという団体のHPから見ることが出来ます。全体を母数にした平均点や、大学の学年別の平均点など詳細なデータを見ることが出来ます。
下記の資料によると、TOEIC受験者全体の平均点は588点。社会人と学生で分けてみると、学生の平均点は567点と社会人に比べ低い値となっています。
TOECI Program Data&Analysis 2019
次に、学部別の平均点を見てみましょう。このデータはTOEIC IPテストといって、大学や英語教室など団体で受けるTOEICのテストの点数を基にしているデータであり、上の平均点を算出している公開テストとは少し異なりますが、傾向を見ることは出来ます。
TOECI Program Data&Analysis 2019
このデータから、基本的に文系の学生はTOEICの点数が高い傾向にあります。文系就職を希望している人は、TOEIC対策を十分にして高得点を持っていると就活で便利です。
また、理系就職を希望している人は、文系ほどTOEICの点数は必要となりませんが、周りがTOEICを受けていない中、自分は高得点を持っていると非常に有利に働きます。
企業は就活生のTOEICの実力をどのくらい参考にしている？
それでは、企業は採用をする際に、学生のTOEICの点数をどの程度参考にしているのでしょうか？就活生の皆さんはここが最も気になる所だと思います。
これに関するデータもIIBCのHPから見ることが出来ます。
このデータから分かる通り、企業は英語が非常に重要視されていることが分かります。二番目にコミュニケーションスキルが入っている事を考えると英語力が重視されているのはもちろんですが、”伝える力”というのが大切という事が分かります。
グローバル化が進み、単純な英語力が必要になることはもちろんなのですが、英語学習を通して得られるコミュニケーション力、異文化理解力、学習の習慣化など様々な能力が英語学習で養われると企業も考えていると思います。
そして、下記のデータによると、企業の50%以上は採用の際にTOEICの点数を参考にしていると答えています。
目標の企業に就職するには何点必要？
ここまでで、就活においてTOEICの点数が重要になってくることが分かったと思います。
しかし、全ての企業で企業で同じようにTOEICの点数を必要としているわけではない、と思うのではないでしょうか。
TOEICの点数が必要な業種とは？
TOEICの点数が高ければ就活で優位に働くことは確かですが、業種によってTOEICの求められている点数は異なります。
下のデータは新入社員と一般社員の業種別TOEIC平均点です。
TOEIC高得点が必要な企業は次のようになります。
- 鉱業・石油・鉄鋼
- 商社
- 金融
- マスメディア
ここでは、大きく取り上げられていませんが、各業種において外資はやはり英語力を必要とされます。
それぞれの業種について詳しく見ていきます。
鉱業・石油・鉄鋼
この業界の主な仕事は鉱物資源を採掘するもので、そのほとんどが海外での事業となります。
そのため必然的に海外での勤務も多くなります。また、日本で勤務する場合でも海外にある資源を輸出入するため、英語を使う機会は多くなります。
商社
グローバルな商取引を行う商社は、海外在住や英語での交渉など、英語を使う機会が多いです。
近年、食品商社は、国内需要が見込めないため海外進出がブームとなっております。中でも、和食がブームとなっているアジア諸国への進出は著しいです。
このように、多くの商社で海外志向は年々高まっています。
マスメディア
メディア業界に就職して、海外に行く社員は限られてくると思います。しかし、この業界で求められる英語力は高いです。
この業界においては就職の際に学歴ももちろんですが、人柄や潜在的な能力、学生時代に何をしたかなども重視します。
そのため、実力を直接示すことが出来るTOEICの点数が高いと内定がもらいやすく、内定者のTOEICの平均点も高くなります。
外資系
やはり、英語を最も必要とするのは外資系です。外資系の中にも外資銀行、外資商社、外資コンサル、など様々な業種がありますが、どの業種においても英語の能力は絶対に必要になります。
業種によって多少異なりますが、外資内定者のTOEIC平均点は約900点となります。また、希望者には帰国子女だったり、学生時代は学生団体のリーダーでしたというような人も多く、なかなかハードルが高いですよね。
しかし、一度チャレンジしてみるのも、違う世界を知れていい経験になるかもしれません。
就活でTOEICの足切り点数を明示している企業がある？
ここまでは、業種別にTOEICの平均点を見てきましたが、具体的に何点とっていれば希望する企業の足切りにかからないのでしょうか。
目標スコアを提示している企業もありますが、目標スコアは明示していない企業もあります。自分が希望する企業のTOEIC必要点数は一度調べておく事は必須となります。
日産自動車
日産は2014年度からルノーとのアライアンスを強化しており、様々な部門で英語力が必要とされています。
部長や役員などの上司が日本人でない部署もあり、それらの部署では資料は全て英語であり、就職するには英語力が必須となります。
具体的に、日産は就職活動時に期待する英語レベルはTOEIC730点と明言しています。このスコアを持っていないと採用されないわけではありませんが、大きなデメリットとなるのは確かです。
全日本空輸株式会社
全日本空輸株式会社はTOEICスコアを基準とした絞り込みは行っていないが、600~700点を目標に設定しています。
就職後に英語ができないと業務に差支えが出る事が多く、これから採用の際に語学力を重視する傾向は高まっていく可能性が大きいとも言っています。
オリックス株式会社
オリックスは履歴書にTOEICスコアの記入欄は設けていますが、採用の際に基準とはしていません。
しかし、内定確定後、入社までの期間でTOEICスコア650点を目指して学習に取り組むように指導されます。
このように、TOEICスコアが採用の基準にはならないが、内定確定後に一定以上の点数を求める企業もあります。
TOEICは就職してからの方が必要？
ここまでは就職をするまでに、TOEICの点数がいかに重要かについて話してきましたが、TOEICの点数は企業に就職後も大事になってきます。
就活のためだけに英語を勉強していると、やる気が出なかったり、英語の必要性を感じることが少ないのではないでしょうか。
しかし、多くの企業では昇進するためにはTOEICの一定以上のスコアを必要としています。また、就活前に付け焼き刃で身に付けた英語力だけでは、実際に仕事で英語を使いこなせず、業務に支障が出ることもあります。
まとめ
いかがだったでしょうか。TOEICスコアを採用の基準にしている企業は5割以上と多くの企業が就活生のTOEICスコアを参考にしています。
特に、鉄鋼、石油、商社、マスメディアなどTOEICの平均点が高い企業を希望する場合は企業がどの程度の点数を求めているかチェックしておくべきです。
